「ビンディングペダルって本当に必要?」
そんな疑問を抱えたことはありませんか?
実は、最近「ビンディングペダルやめた」という声をよく耳にするようになりました。とくにSPD-SLを外してフラットペダルに戻したというライダーや、「普通の靴で気楽に走りたい」というサイクリストが増えています。
背景には、「公道での使用は危険?禁止なの?」といった法的な不安や、「立ちゴケが怖い」「引き足って本当に意味ある?」といったリアルな悩みがあるようです。
この記事では、私自身がビンディングペダルをやめた理由を体験談ベースでご紹介しながら、
- ビンディングペダルの危険性やデメリット
- 法改正や公道使用の可否
- SPDとSPD-SLの違い、105とアルテグラの使い分け
- ペダルの寿命やメンテナンス性
など、読者の悩みに正面から答えていきます。
「今のペダルで本当にいいのかな?」と少しでも迷ったことがあるなら、ぜひ最後まで読んでみてください。
あなたのペダル選びが、より快適で安全なライドにつながるヒントになれば嬉しいです。
ビンディングペダルやめた理由とは?
立ちゴケの恐怖と実際の転倒体験

私がビンディングペダルを使い始めたのは、ロードバイクに本格的にハマり出した頃。走行効率を求めて、SPD-SLを選びました。確かにペダリングは軽くなり、引き足を使って上り坂もグイグイ登れる感覚はありました。
しかし、それと引き換えに得たのが「立ちゴケの恐怖」です。
最初の立ちゴケは信号待ちのとき。うっかり外し損ねてバタン。
しかも人通りの多い交差点だったため、痛みよりも恥ずかしさの方が大きかったのを今でも覚えています。
その後も、「急な飛び出しにとっさに足をつけない」恐怖はずっとつきまとい、街乗りや通勤では不安が増す一方でした。
通勤・街乗りでの不便さとストレス
サイクリングロードやロングライドではビンディングの恩恵を感じていたものの、信号の多い街中や人の多い通勤ルートでは逆にストレスが溜まるように。
- 靴の脱ぎ履きの面倒さ
- 歩くときに滑るSPD用シューズのソール
- カフェやコンビニに寄るたびに「ジャリッ」と床を傷つけてしまう心配
次第に「普通の靴で気軽に走れたらな…」と思うようになり、悩んだ末に片面フラットのSPDペダルを導入。それでもストレスは完全には解消せず、最終的には完全フラットペダルに戻す決断をしました。
SPD-SLからSPD、そしてフラットペダルへの移行
私がたどった変遷は以下のとおりです:
- SPD-SL(フルビンディング)
→ レース志向、効率重視だが、脱着の難しさと街乗り不向き - SPD(小型ビンディング)
→ 引き足感は残るが、結局シューズが歩きにくくて不便 - 片面SPD/片面フラットペダル
→ どっちつかずで使いにくく、シューズ選びも制限される - 完全フラットペダル+スニーカー ←今ここ
現在は、三ヶ島(MKS)製のフラットペダルと、滑りにくいグリップソールのスニーカーで快適に街乗り&週末ライドを楽しんでいます。
「ライドに行く=靴を履き替える」という儀式からも解放され、“乗るまでが億劫”という気持ちが完全になくなりました。
ビンディングペダルの危険性と死亡事故
公道での使用と事故リスク
「ビンディングペダルって、公道で使ってもいいの?」という声をよく聞きます。
現時点(2025年4月)で、日本国内においてビンディングペダルの使用が法的に禁止されているわけではありません。しかし、以下のようなシーンではリスクが高まります:
- 信号停止での立ちゴケ
- 子どもや歩行者の飛び出し時に足が外れない
私自身も、都内の交差点で子どもの自転車が突然横から飛び出してきた際、スレスレで止まったのはいいが、足が咄嗟に外れず転倒。幸いケガはなかったものの、これをきっかけに使用を見直すようになりました。
立ちゴケによる怪我とその予防策
「ビンディングペダル=立ちゴケ」と言っても過言ではないほど、初期トラブルの代表格です。
とくに初心者のうちは、以下の状況で立ちゴケが多発します:
- 停止直前のタイミングで外すのを忘れる
- ペダルのスプリングが固く、外れにくい
- 靴裏のクリートが摩耗してうまく外れない
これらの原因を少しでも回避するためには、
- スプリングテンションを弱めに設定する
- 定期的にクリートをチェックして交換する
- 付け外しの反復練習を行う
といった対策が有効です。
とはいえ、“うまく使いこなせれば安全”ではなく、“使いこなせなかったら危険”というのが最大の問題点。
安全第一の観点から、私は街乗り・通勤ではビンディングを使わないという判断をしました。
補足:ビンディングペダルの死亡事故
過去に報道された死亡事故のなかには、「ペダルから足が外れなかった」という点が事故の一因とされているケースもありました。ただし、これはビンディングに限った話ではなく、反応の遅れやブレーキ操作ミスなど、複合的な要因が関与しています。
とはいえ、「命を預ける道具」である以上、慎重な判断が求められるのは間違いありません。
ビンディングペダルのデメリットと引き足の真実
引き足の効果とその限界
ビンディングペダルの最大のメリットとされるのが「引き足が使える」こと。ペダリングの上下運動がより効率的になり、「360度回転で力を伝えられる」と言われます。
しかし、実際のところ——
本当に“引き足”は効果的なのでしょうか?
多くの実験や研究では、こうした結論が出ています:
- 一般サイクリストのペダリング効率は“踏み足”が中心
- 引き足を強く意識すると、ハムストリングスや腸腰筋に余計な負担がかかる
- 長時間のライドでは疲労の原因になる可能性もある
私も一時期「引き足意識トレーニング」に取り組みましたが、筋疲労ばかりが先行してスピードや距離が落ちるという結果に。
結局、「引き足は結果的に使えていればOK。意識して使う必要はない」という考えに落ち着きました。
引き足の効果とその限界:研究と専門家の見解
1. 引き足の意識とペダリング効率
「引き足」を強く意識することが、ペダリング効率にどのような影響を与えるかについては、研究者や専門家の間でも議論があります。一部の研究では、引き足を意識しすぎると、特定の筋肉への負担が増加し、結果として疲労が早まる可能性が指摘されています。
例えば、ある研究では、引き足を意識したペダリングが、ハムストリングスや腓腹筋などの筋肉の活動を増加させることが示されています。これにより、長時間のライドでは筋疲労の原因となる可能性があります。
「ペダルを後方へ引くと、大臀筋とともにハムストリングス下部、腓腹筋が必ず発動してしまい、疲れやすい。」
— 『自転車目線の解剖学講義4』また、別の研究では、引き足を強調することでエネルギー消費が増加し、結果として疲労感が高まる可能性があると指摘されています。
「引き上げ動作によってIFEは高まる反面で、エネルギー消費が大きくなり、疲労感が高くなっている可能性がある。」
— 『自転車ペダリング運動における運動意識の違いが動作,回転踏力』2. 引き足の役割と適切な意識
一方で、引き足を完全に無視するのではなく、適切に意識することが重要であるという意見もあります。引き足は、ペダルの回転をスムーズにし、踏み足とのバランスを取る役割を果たします。しかし、過度に引き足を意識しすぎると、特定の筋肉への負担が増加し、結果として疲労が早まる可能性があります。
「引き足をまったく使わなければ足の重さなどが負担になって、ペダリング効率が落ちてしまう。」
— 『ペダリングで引き足は必要? – じてトレ』
結論
これらの研究や専門家の見解を踏まえると、引き足を意識することはペダリング効率の向上に寄与する可能性がありますが、過度な意識は特定の筋肉への負担を増加させ、疲労を早める可能性があります。したがって、引き足は自然な動作の一部として取り入れ、過度に意識しすぎないことが、長時間のライドにおいては重要であると考えられます。
これらの情報が、ビンディングペダルの使用やペダリング技術の見直しを検討されている方々の参考になれば幸いです。
ビンディングペダルの寿命とメンテナンスの手間
意外と見落とされがちなのが、ビンディングペダルとクリートの消耗です。
- ペダル本体は数千km~1万kmでベアリングやスプリングが摩耗
- クリートはもっと短く、500km〜1000kmで交換目安
特に「歩行が多い」「砂利道を歩く」などの環境では、クリートの摩耗が早く、シューズがガタつく・外れにくくなるといったトラブルが増えます。
また、クリート交換に1,000〜2,000円/ペダル交換で5,000〜15,000円と、コスト面でも継続的な負担は無視できません。
105とアルテグラの違いと選び方
ユーザーの質問でも多かった「105とアルテグラのビンディングペダルの違い」についても簡潔にご紹介しておきます。
項目 | 105ペダル(PD-R7000など) | アルテグラペダル(PD-R8000など) |
---|---|---|
重量(ペア) | 約265g | 約248g |
ベアリング性能 | 標準 | スムーズで耐久性あり |
剛性・耐久性 | 樹脂と金属のバランス | フル金属で高剛性 |
価格帯 | 実売15,000円前後 | 実売22,000円前後 |
体感差は大きくありませんが、ヒルクライムや長距離の安定性を求める方にはアルテグラ、コスパ重視・街乗りメインであれば105が妥当です。
ただし、どちらもビンディングの使い勝手や外しやすさには大差ありません。
フラットのフラット化とそのメリット
ペダルプレートを使ったフラット化の方法
「ビンディングペダルを完全にやめるのはちょっと…」
そんな人に人気なのが、ビンディングペダルを“フラット化”するパーツです。
たとえば、SHIMANOのSPDペダルに対応したペダルプレートを取り付ければ、クリートをはめなくても普通の靴で踏めるペダル面ができるようになります。
この方法なら、ビンディング派とスニーカー派の両立が可能。
ただし、滑りやすさや踏み心地の点では、やはり専用のフラットペダルには敵いません。
普通の靴での快適なライディング
ビンディングをやめて普通のスニーカーで走れるようになると、世界が一気に広がります。
- コンビニやカフェにそのまま入れる
- シューズを選ぶ自由がある
- 雨の日も靴を気にせず走れる
- 転倒時の安全性が高まる
私はadidasのフラットシューズを愛用しています。
ソールが硬すぎず、ペダルとのグリップが抜群。長距離ライドでも疲れにくく、歩きやすいので、旅にもぴったりです。
片面SPDペダルの利点と選び方
「完全にフラットペダルにするのは不安」という方には、片面SPD・片面フラットのハイブリッドペダルもおすすめです。
片面をフラットにすることで、ちょい乗りは普通の靴で、週末ライドはSPDでという使い分けが可能になります。
ただし、以下の点は注意:
- 「踏む面を探す」のに少し慣れが必要
- ペダルの重量が重くなりがち
- 見た目のスッキリ感が減る
結局、私は「どっちつかずで中途半端」と感じて、完全にフラットペダルへ移行しました。とはいえ、週末だけビンディングを使いたい人にはとても便利な選択肢です。
ビンディングペダルやめた方がいい人の特徴と判断基準
初心者や通勤ライダーに向いているペダルとは
ビンディングペダルは、正しく使えれば大きなメリットがあります。
しかし、“全員にとってベスト”な選択肢ではないのも事実です。
以下のような方には、フラットペダルや片面SPDの方が向いています:
- 自転車を始めたばかりで、操作に不安がある
- 信号や歩行者が多い市街地を走ることが多い
- 自転車通勤・通学で頻繁に乗り降りする
- 雨の日でも乗る、靴を選びたくない
- サイクリング以外に、買い物やカフェも立ち寄る
私自身、まさにこの条件にすべて当てはまり、ストレスフリーな通勤ライドができるようになりました。
自分のライディングスタイルに合ったペダル選び
ペダル選びは、「カッコいいから」「みんな使ってるから」ではなく、自分のスタイルに合わせて決めるのが一番です。
以下にタイプ別の選び方をまとめました:
ライダータイプ | おすすめのペダル |
---|---|
ロングライド中心、ヒルクライム好き | SPD-SLや軽量ビンディングペダル |
街乗り+週末ライド両方したい | 片面SPD/フラットペダルの併用 |
通勤・通学、ちょい乗り重視 | 完全フラットペダル+スニーカー |
ビンディング初心者 | SPD(MTB系)+歩きやすいシューズ |
「自分が走りたい場所・使いたい場面」で考えることが、後悔しないポイントです。
ビンディングペダルをやめる際の注意点とアドバイス
「ビンディングをやめる=レベルダウン」ではありません。
目的に応じて道具を変えるというのは、むしろ経験値がある証拠です。
やめる際の注意点やアドバイス:
- フラットペダルでも滑りにくいものを選ぶ(ピン付きなど)
- シューズも滑りにくいソール(Vibramなど)を選ぶとより快適
- ペダル交換は六角レンチ1本で簡単(逆ネジに注意)
また、メルカリでビンディングペダルやシューズを売却して資金に充てるのもアリですよ。
まとめ:やめる or 続ける?迷ったときのチェックリスト
ビンディングペダルを「やめた方がいいか? それとも続けるべきか?」
その判断は、あなたのライディングスタイル・目的・安全意識によって大きく変わります。
以下のチェックリストを使って、自分の“いま”に合っているかどうか、ぜひ見直してみてください。
✅ ビンディングペダルを「やめた方がいい人」の特徴
- 信号の多い街中や通勤がメイン
- 自転車を降りて歩くシーンが多い(観光・買い物)
- 脱着に不安がある、立ちゴケ経験がある
- 走ることより「気軽さ」「快適さ」を重視している
- 急に止まる状況(子どもの飛び出しなど)が多いルートを走る
✅ ビンディングペダルを「続けた方がいい人」の特徴
- ロードバイクでのロングライド・ヒルクライムを重視
- 引き足の感覚に慣れていて、脱着も問題ない
- 走る場所が郊外中心で信号や人通りが少ない
- 機材としての効率性やレース志向が高い
- 脚力やテクニックの向上を実感している
✅ 結論:ペダルは“自分のライド”に合わせて変えるのが正解
ビンディングペダルを「やめる」選択は、決して妥協ではありません。
むしろ、ライフスタイルや目的に合わせて柔軟に選び直すことは、賢いサイクリストの行動です。
私自身、フラットペダルに戻してから、気軽にライドに出かける頻度がグッと増えました。
「今日は走るのがめんどくさいな…」という日が激減し、自転車との付き合い方が“もっと自由に、自然に”なったのを実感しています。
✅ 最後にひと言
あなたにとって、「今いちばん快適なペダル」はどれですか?
選び方に正解はありません。
でも、“安全”と“楽しさ”を両立できるペダルが、きっとあなたにとっての正解になります。