「シングルスピード 後悔」する前に読むべき5つの落とし穴|デメリットと成功の分かれ道

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「見た目がシンプルでかっこいい」

「メンテナンスが楽そう」

――そんな理由でシングルスピードバイクに興味を持つ人は少なくありません。確かに、変速機がないぶん構造は軽く、街中を颯爽と走るにはピッタリな一台です。

しかし、ちょっと待ってください。

SNSやレビューサイトには「シングルスピードにして後悔した…」という声もちらほら。なぜ、憧れのはずだったシングルスピードが“乗らなくなった自転車”になってしまうのでしょうか?

この記事では、私自身の失敗談や実体験を交えながら、「後悔しがちな5つの落とし穴」を徹底解説。さらに、失敗しないための選び方や、おすすめモデルも紹介します。

これから購入やカスタムを考えている方は、読み終える頃には「自分に合うかどうか」がしっかり見えてくるはずです。


タップできる目次

シングルスピードとは?人気の理由と基本スペック

「シングルスピード(Single Speed)」とは、その名の通り変速機を持たない単一ギアの自転車のことです。ギアチェンジができないため、常に一定のギア比でペダルを回すスタイルとなります。

シンプルだから軽い、壊れにくい

最大の特徴は、構造がシンプルで軽量なこと。変速機やディレイラー、シフトレバーといったパーツが不要なため、メンテナンスがとにかく楽。チェーンの張りを調整する程度で日常の整備は完結します。

そのシンプルさゆえに、見た目もすっきりと美しいデザインが多く、ファッション感覚で選ぶ人も増えています。とくに都市部では、スマートに街を流す「シングルスピード通勤スタイル」が一種のトレンドにすらなっています。

25 VINTAGE PISTA

「ピスト」との違いって何?

よく混同されがちなのが、「ピストバイク(フィクスドギア)」との違い。ピストは後輪が固定されており、ペダルを止めるとタイヤも止まるという構造です。つまり「足を止めたら惰性で進まない」というやや特殊な乗り味になります。

一方で、シングルスピードはフリーギア(空転可能)タイプが主流。ペダルを止めても後輪は回り続けるため、通常の自転車と同じ感覚で乗ることができます。

✅ポイント:
ピスト=競輪仕様・トリック向け、
シングルスピード=街乗りや通勤向け。

街乗りで人気の理由とは?

  • 軽量でスタートダッシュが速い
  • チェーン落ちや変速トラブルがない
  • パーツが少ないから価格も手頃

このように、通勤・通学・カフェ巡りなど、20km圏内の街乗りには最適なジャンルといえるでしょう。


【後悔1】坂道で絶望する?ギアなしの限界

シングルスピードを語る上で避けて通れないのが、「坂道問題」です。ギアが1枚しかないこのバイクでは、地形の変化に合わせたペダルの軽重調整ができません。つまり――坂が来たら、全部“筋力で押し切る”しかないのです。

フリーギアでもしんどい理由

「固定ギアじゃないから大丈夫でしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、フリーギアのシングルスピードでも坂道のつらさは変わりません。なぜなら、ギア比そのものが変えられないからです。

たとえば、平地でちょうどいいギア比(例:2.8〜3.0)に設定されていた場合、坂ではそのギアが一気に「激重」になります。立ち漕ぎしても進まない、脚がパンパンに張る――そんな経験をした人も多いはず。

実体験:通勤ルートに1つでも坂があるなら要注意!

筆者もかつて、Giant Escape R3をシングルスピード化した経験があります。当時の職場までの距離は片道8km。大部分はフラットだったのですが、最後に「心臓破りの高架橋」が1本

この1本が、地獄でした。ギア比を軽めに設定しても、平地では回転数が上がりすぎて疲れるし、坂では踏んでも踏んでも進まない。結局2週間でギブアップし、フロント多段化して逃げました。

「坂道は押せばいい」は正解か?

確かに、坂道があれば降りて押すという手段もあります。でも、それって毎日の通勤でやりますか?荷物があったり、雨の日だったり、スーツだったり――現実はもっと厳しいんですよね。


✅まとめ:
「坂が少しでもあるなら、変速付きのバイクを選ぶ」
これが筆者の経験からくる結論です。

【後悔2】スピードが出ない?クロスバイクとの違いに愕然

シングルスピードは軽くてスイスイ走れる――そう思っていませんか?
たしかに車体は軽いですが、実は長距離や高速巡航には意外と向いていません。その理由は「ギア比固定」という構造にあります。

クロスバイクとの決定的な違い

クロスバイクは変速があることで、加速・巡航・登坂のすべてに最適なギアを選べるのが強み。対して、シングルスピードはスタートも巡航も上りも全部“1枚のギア”で対応しなければなりません。

つまり、スタートは軽く、巡航では重くしたい…というごく自然な要望に応えられないわけです。

たとえば、私が以前テストした以下の2台:

  • 【クロスバイク】Giant Escape R3(変速付き):巡航30〜33km/h
  • 【シングルスピード化】Giant Escape R3改:巡航23〜26km/h

同じ車体で、平均時速はおよそ5〜7km/hの差。体感でいうと「前に進まないな…」というもどかしさが常にあります。

「速そうに見える」の罠

ピストバイクに代表されるシングルスピードは、見た目がシャープでスポーティ。フレームが細く、タイヤもスリック、まるでロードバイクのようです。

しかし、速く走るには「脚力 × ギア比 × 空気抵抗」のバランスが不可欠。シングルスピードはその中でギア比が固定されているため、巡航速度を引き上げるには相当な脚力が必要になります。

結果、乗り始めてしばらくしてから「思ったほどスピード出ないな…」という後悔が出てくることも。


✅ポイント:
「通勤を速くしたい」「30km/h巡航したい」なら、
シングルスピードは不向き。クロスやロードが無難です。


【後悔3】シングルスピード化での失敗

「今あるクロスバイクをシングルスピード化すれば安上がりだし、見た目もスッキリしてカッコよくなるかも!」――そう思って、シングルスピード化を試す人は多いです。ですが、実際にやってみると予想以上に大変

よくある失敗1:パーツが合わない

筆者がGiant Escape R3で試したときもそうでしたが、エンド幅やハブの形状が合わず、ポン付けできないことが多いです。特に後輪周りはセンター出しが難しく、チェーンラインのズレで異音やチェーン落ちが頻発するケースもあります。

例:エンドが135mmのMTB系フレームに、120mmのSS用ハブを無理やり入れようとして断念…

よくある失敗2:結局高くつく

「1,500円くらいで売ってる変換スペーサーでOK」と思っていたら、工具代や追加パーツで1万円超えになることも。特に以下のようなアイテムは後から必要になることが多いです。

  • トラックエンド対応ナット(フレームにより加工も必要)
  • シングル用チェーン

結果、「だったら最初から完成車買えばよかった…」と後悔。

よくある失敗3:見た目が“やっつけ感”に…

どうしても「もともと多段ギアだったフレームに無理やり詰め込んだ感」が出てしまうのも事実。スプロケットのスペーサーが目立ち、バランスも悪くなることがあります。

また、クランクとのギア比も合わず、ペダリングが妙に重い/軽すぎるという違和感も生まれます。


✅ポイント:
完成車なら最初から設計バランスが取れている
カスタムは知識・工具・コストを把握してから慎重に!


【後悔4】「フリーギアはダサい?」という謎の風潮に戸惑う

シングルスピードに乗り始めたとき、SNSや街の声でよく聞くのがこのセリフ――
「あ、フリーギアなんだ。ピストじゃないんだね(笑)」

……え?フリーギアってダサいの?
そんな疑問を抱いたことがある方、意外と多いんじゃないでしょうか。

ピスト文化と“こだわり”の衝突

そもそも「ダサい」と言われる背景には、ピスト(固定ギア)にこだわるカルチャーがあります。トリックやスキッド、メッセンジャースタイルなど、スタイルを極めた人たちにとって、フリーギアは“逃げ”の選択肢に見えてしまうのかもしれません。

しかし、現実的に考えてみてください。

  • 信号が多い日本の街中
  • 坂道や下り坂がある通勤ルート
  • トリックをやるわけでもない日常使用

そんな環境で「固定ギアにしなきゃダサい」という価値観、ちょっとズレてませんか?

「自分に合う乗り方」が正解

筆者は固定ギアもフリーギアも両方乗ってきましたが、街乗りや日常利用には圧倒的にフリーギアが楽です。ペダルを止めて流す感覚、下り坂でのブレーキのしやすさ、信号待ちでの安心感――すべてが日常向き。

それを「ダサい」と一蹴するような意見に惑わされる必要はまったくありません。

✅「カッコよさ」は、バイクそのものではなく“自分の乗り方”に宿る

SNSの声は声であって、正解じゃない

SNSではとにかく「尖った声」が目立ちます。でも、それが多数派でも正解でもありません。
あなたの使い方にマッチするかどうかが、最優先すべき判断基準です。


✅ポイント:
フリーギアが“ダサい”なんて誰が決めた?
楽しく、安全に、かっこよく乗れてこそ「正解」です。


【後悔5】結局あさひでよかった?完成車とカスタムの比較

「シングルスピードに興味があるけど、完成車を買うか、それとも自分でカスタムするか…」
この2択で迷う人、実はとても多いです。そしてその中には、あさひで完成車を買っておけばよかった…と後悔する人も多数

では、なぜそんなことが起こるのでしょうか?


あさひの完成車が選ばれる理由

シングルスピードの完成車として人気があるのが、FUJIのシングルスピードバイク。サイクルベースあさひでも買えます。見た目はシンプルでスタイリッシュ、価格も7万円台からと手頃です。

そのうえ、

  • 防犯登録や整備が最初から完了している
  • 実店舗で試乗や調整が可能
  • 初期不良や不具合に対応してもらえる

といったサポート面の安心感があります。


自分でカスタムする場合の落とし穴

対して、既存のクロスバイクなどをシングルスピード化する場合は、前述のように

  • パーツの互換性確認が必要
  • 工具の購入と整備スキルが必要
  • コストが結果的に高くつく

という問題が立ちはだかります。しかも、見た目は良くても機能が破綻しているケースも少なくありません。

例:筆者がSS化したクロスバイクは、見た目はクールでしたがチェーンテンションが安定せず毎週再調整…


「シンプルに乗りたい」なら完成車でOK

もしあなたが、

  • 見た目が好み
  • 通勤・通学・街乗りがメイン
  • トリックやスキッドには興味なし

という使い方を想定しているなら、最初からあさひなどで完成車を購入するのが正解です。


✅ポイント:
「自分だけの一台を作りたい」ならカスタム、
「手軽に失敗なく始めたい」なら完成車一択です。


シングルスピードに向いている人・向いていない人
【診断チャートあり】

「見た目はカッコいいけど、自分に合ってるのかどうか分からない」――
そんな悩みを抱えるあなたのために、シングルスピードが“ハマる人”と“後悔する人”の違いを整理しました。

自転車選びで失敗しないために、まずは以下の簡単診断チャートを使ってみましょう。


✅シングルスピード適性診断チャート

以下の質問に「はい」か「いいえ」で答えてください。

質問はいいいえ
通勤・通学はほぼ平坦な道が中心ですか?
片道の走行距離は10km以内ですか?
スピードよりもスタイルや見た目を重視しますか?
ギア調整やメカトラブルに煩わされたくないですか?
荷物はリュック1つ程度、軽装ですか?

「はい」が3つ以上なら、あなたはシングルスピード向き!


向いている人の特徴

  • シンプルなデザインやミニマル思考が好き
  • 平坦な街中を移動手段として使いたい
  • 「ギアは1つで十分」と割り切れるタイプ
  • 休日のカフェ巡りやシティライドが主目的

→ こうした人は、シングルスピードの軽快さや手軽さにハマりやすく、後悔も少ないです。


向いていない人の特徴

  • 坂道が多いルートを使う
  • 20km以上の距離を高速巡航したい
  • 荷物が多い・チャイルドシートを使う
  • 自転車に“実用性”を強く求める

→ こうした人には、変速機付きのクロスバイクやeバイクの方が圧倒的に快適。
無理にシングルスピードにすると、毎日の移動が苦行になる可能性も。


✅ポイント:
自転車選びは、スペックよりも「使い方」と「目的」で考えるのが鉄則です。


後悔しないシングルスピードの選び方|おすすめ3モデル

「自分に合うことは分かったけど、実際どのモデルを選べばいいの?」
そんな方のために、初心者にも扱いやすく、満足度の高いシングルスピードバイクを厳選して3つご紹介します。すべて実績あり・入手性あり・メンテも安心のラインナップです。


🚲① サイクルベースあさひ シングルスピード

  • 価格帯:約50,000円〜
  • 特徴:必要十分な装備・軽量フレーム・全国サポート
  • おすすめポイント:初めてのシングルスピードにぴったり。整備済みで届くので、そのまま乗れる安心感は大きい。

🚲② VINTAGE PISTA

  • 価格帯:本体約97,000円
  • 特徴:シングルスピードバイクの定番。
  • おすすめポイント:街中でも扱いやすい44T×16Tのギヤ比でストップ&ゴーも軽快。スマートでお洒落なクロモリシングルスピードです。

🚲③ LEADER 721TR【スタイリッシュで速いピスト系】

  • 価格帯:約120,000円〜
  • 特徴:アルミフレーム、トラックジオメトリ、固定/フリー両対応
  • おすすめポイント:街乗りピストの代表格。見た目の美しさとスピード感を両立したい人向け。

✅注意:固定ギア前提で設計されているため、初期状態はピスト寄り。街乗りならフリーギアがおすすめ


【選び方のコツ】

  • 坂があるなら:軽量フレーム + フリーギア必須
  • デザイン重視なら:ピスト系でシンプルに仕上げる
  • 日常使いメインなら:完成車でトラブルを避ける

✅ポイント:
「どんな道を、どれくらい走るか?」を基準にモデルを選べば、
シングルスピードでも後悔のない買い物になります!


まとめ:「シングルスピード 後悔」を防ぐ3つの鉄則

ここまで読んで、「やっぱりシングルスピードって難しそう…」と思ったかもしれません。
でも安心してください。正しく選べば、最高にクールで楽しい相棒になるのがシングルスピードです。

そのために、最後にもう一度だけ、後悔しないための3つの鉄則をお伝えします。


✅鉄則①:実用性とスタイルのバランスを見極める

  • 見た目のカッコよさに惹かれても、通勤や日常使いに耐えられなければ本末転倒
  • 坂道が多いなら、変速付きバイクを再検討。

✅鉄則②:「完成車」か「カスタム」かを慎重に選ぶ

  • 工具や整備スキルがないなら、完成車でスタートするのが無難。
  • カスタム派は、パーツ互換やチェーンラインの基礎知識をきちんと学ぼう。

✅鉄則③:「他人の意見」より「自分の使い方」で選ぶ

  • フリーギアがダサい?
  • ピストじゃないと本物じゃない?
  • そんな声に惑わされず、自分にとって楽しく乗れる一台を選ぶのがベストです。

✨シングルスピードは“道具”であり、“表現”でもある

坂道や速度、見た目やカルチャー…いろんな議論があるのがシングルスピードの面白さです。
けれど、最終的にそれを乗るのはあなただけ。あなたの一台を、あなたらしく楽しんでください。



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