Equipt(エクイプト)は、見た目のインパクトと実用性を兼ね備えた、自転車専用のユニークな工具ブランド。
特に人気の2モデル、Sardine(サーディン)とCucumber(キューカンバー)は、
それぞれがまったく異なる役割を持つ、全く別物のツールです。
とはいえ、どちらも見た目はミニマルでおしゃれ、そして名前は「魚と野菜」。
違いをしっかり理解しておかないと、何を選ぶべきか?以前に「何ができるのか?」すらわかりにくい。
この記事では、Sardine=携帯工具、Cucumber=ペダルレンチという基本から、
それぞれの構造・得意な用途・活躍するシーンを専門目線でわかりやすく解説します。
“違いを知って納得したい”あなたのための比較ガイドです。
Equiptとは?“魚缶”ツールで話題のミニマル工具ブランド
自転車業界の中で、ここ数年ひそかに注目を集めているのがEquipt(エクイプト)。
見た目はシンプルで無骨ながら、ユーモラスなネーミングと実用性を併せ持つ工具シリーズを展開しています。
代表的なアイテムは「Sardine(サーディン)」と「Cucumber(キューカンバー)」。
まるで魚缶や野菜を思わせる名前ですが、そのデザインは工具としての合理性を突き詰めた機能美に満ちています。
Equiptの魅力は、ただ“ミニマルでおしゃれ”なだけではありません。
- ライド中でも邪魔にならないサイズ感
- トルクも早回しも可能な可動構造
- 必要最低限に絞られたビットやレンチの選定
- フレームやポケットに安全に収納できる設計
など、サイクリストの“リアルな声”から逆算して生まれたプロダクトです。
中でもSardineとCucumberは、それぞれの使いどころがまったく異なるため、
「どっちを買うべきか?」というより、「どんな用途に強いか?」を正しく知ることが重要です。
Equipt Sardineの特徴|超軽量38gの携帯ツールが革新的すぎる
ロードバイクに乗るあなたにとって、携帯工具は「保険」のような存在だ。
でも正直なところ、従来のマルチツールにはこんな不満があったはずだ。
- かさばる
- 重い
- 回しづらい
- 必要ない工具がいっぱいついている
そして何より、トラブル対応のたびにイライラする。
このストレスを根本から断ち切ったのが、Equipt Sardine(サーディン)だ。

ミッションは「最小ストレスで確実に作業する」こと

最大の特徴は、その独特なL字型可変構造にあります。
- 直線モード:ビットをまっすぐにして高速回転(早回し)が可能
- L字モード:90度に曲げればトルクをかけて締める・緩めるも楽にこなせる
この切り替えによって、スピードとパワーの両立が実現されています。
Sardineが目指したのは単なる「小さい工具」ではない。
ライド中に遭遇するリアルトラブルを、最速・最小の動作でクリアすること。
だから、
- 早回しもできるストレートポジション
- トルクをかけられるL字ポジション
- 手首をひねるだけで180度切り返せるギミック
この3つを1本に詰め込んだ。
これによって、たとえば「ボトルケージのボルト緩み」も、
「サドルポジションの微調整」も、
“一発で終わる”世界が手に入る。
使うビットは5種類だけ。無駄ゼロ主義。

搭載されているビットは、たった5本。
- ヘックス(六角レンチ):6mm / 5mm / 4mm / 3mm
- トルクス(星型レンチ):T25
ここに「8mm」「2mm」「プラスドライバー」なんかはない。
なぜなら、ライド中に本当に使うものだけに絞ったからだ。
これが、軽さ38gという異次元のミニマル設計を可能にしている。
「何でもできる」は便利そうに見えるけど、
実際に必要なものだけを持ち歩くのが、いちばん速い。
「差し替え不要で速攻完了」革命的な作業感
従来の携帯ツールでは、
- 狭いスペースに押し込んで
- 無理な角度で回して
- 何度も持ち替えて…
そんなストレスが当たり前だった。
しかしSardineなら、
- ストレートで早回し
- L字で締め・緩め
- 180度反転で逆トルク
この一連の作業が、握ったままノンストップでできる。
初めて使った瞬間、
アルミボディの美しさと、手に吸い付くようなフィット感
Equiptはデザインにも妥協しない。
- アルミ無垢から削り出されたスムースなフォルム
- 手のひらに収まる絶妙なサイズバランス
- 剛性感としなやかさを両立するボディ剛性
軽く、丈夫で、しかもずっと触っていたくなる心地よさを備えている。
工具というより、
そんな存在感だ。
安全に持ち運べる専用ホルダーも秀逸
Sardineには、ボトルケージ下に取り付けられる専用ホルダーが用意されている。
- 走行中にポケットで暴れない
- 転倒時に身体へのダメージを防げる
- いつでも素早くアクセスできる
工具の持ち運び問題も、Equiptはきちんと解決している。
総評:Equipt Sardineは「携帯工具の完成形」に限りなく近い
軽く、小さく、使いやすく、そして美しい。
そして何より、「現場での体験」を想定して設計されている。
- もう嵩張るツールを持ち歩く必要はない。
- もう回しにくいマルチツールにイライラしなくていい。
- そして、自転車との日常に、ほんの少しの誇りを持てる。
それが、Sardineというツールです。
搭載ビットは厳選された5種類:
- ヘックス(六角):6mm/5mm/4mm/3mm
- トルクス:T25
ライド中に最も使用頻度が高いサイズに絞られており、無駄がありません。
注意点として、ポケットにそのまま入れると転倒時のケガにつながるおそれがあるため、
ホルダーを使うか、緩衝材つきのケースに入れることが推奨されています。
SardineはBLUE LUGで購入できます。








Equipt Cucumberの特徴|ペダルレンチ+スルーアクスル対応ツールの実力
Cucumber(キューカンバー)は、Sardineに続いて登場したEquiptの第2作。
スリムなボディに回転ビット機構を搭載したペダルレンチであり、スルーアクスルの着脱にも対応する多機能ツールです。

一見すると、ただの細身のレンチ。しかし実際には“差し替え不要の連続動作”が可能なペダルツールとして完成度が高く、
特に以下のような作業で真価を発揮します。
- ペダルの脱着(※固着したものは非推奨)
- フロント/リアのスルーアクスルの着脱
- 車載前後のホイール脱着
- クルマの中や自宅ガレージでの簡易整備
回転ビットによって緩め→早回し→締めまでがシームレスに行えるため、
手数が少なく、スムーズでストレスのない作業が可能です。
ただし、注意点として強いトルクを要する固着ペダルの取り外しには不向き。
素材や構造的に破損の恐れがあるため、過剰な力をかける作業には専用レンチを使用すべきです。
Cucumberは、車載・室内整備用にひとつあると非常に重宝するツールであり、
Sardineと用途をまったく棲み分ける“兄弟的存在”といえるでしょう。
ペダルレンチが“道具の主役”になる瞬間がある
「たまにしか使わない」――
それがペダルレンチという工具の一般的な位置づけだった。
でも、ホイールの履き替えやペダル交換を自分で行うサイクリストなら知っている。
使いにくいペダルレンチが作業効率をゴリゴリに削るということを。
EquiptのCucumber(キューカンバー)は、そんな「陰の主役」だったペダルレンチを、
“道具として触れて楽しい主役”に変えてしまった一本だ。
差し替え不要の「爆速」レンチ構造
Cucumber最大の特徴は、回転ビットを備えたL字レンチ構造。
ペダル着脱に必要な操作を、ひとつの動作の中で完結させる。
- 緩め方向に1回ひねる
- そのまま早回しで取り外し
- 再取り付け時も持ち替え不要
従来の工具でありがちだった、
「レンチを外して再挿入」「角度を変えて締め直し」といった動作が完全に不要になる。
その結果、作業時間とストレスは大幅に削減。
まさに「一度握ったら手放したくない」ツールだ。
6mm & 8mmビットで、ペダル&スルーアクスル両対応
Cucumberは、標準で2つの六角ビットを搭載:
- 6mm:旧型ペダル・アクスルなどに使用
- 8mm:LOOK X-TRACKなど、現行のペダル脱着に対応
つまり、ペダルだけでなくスルーアクスルの着脱にも活用できるマルチツールとして使える。
特に輪行前のホイール脱着や、ガレージでの軽整備のシーンでは圧倒的な使い勝手の良さを感じるはず。
握りやすさと取り回しの最適解を追求した設計
Cucumberのボディは、長さ200mm・重量約216gのアルミ削り出し。
重みはあるが、それは“軽さ”ではなく“力を伝えるための重さ”。
- エッジの取れた優しい断面形状
- 適度なグリップ感と手なじみの良さ
- 狭いクランク周りでも干渉しにくい細身のシルエット
これらの設計が合わさって、「握って回す」が気持ちいいという体験を提供してくれる。
⚠ 注意:固着したペダルには使わないで!
Equiptも明言しているように、Cucumberは“作業性重視”のスマートレンチ。
そのため、錆や固着でがっちり食いついたペダルの取り外しには不向きだ。
そうした作業には、柄の長いクロモリ製ペダルレンチのような“本気工具”を使うのが正解。
Cucumberは、あくまでも「頻繁に脱着する人向け」「日常整備向け」のツールであり、
力任せの作業には使うべきではない。
工具を「毎回使いたくなる」体験へ
Cucumberの本質は、単なる「便利なツール」ではなく、
“メンテナンスが楽しくなる”ライフスタイル型ツールだということ。
- ツールボックスに収まる美しいフォルム
- 日常の手入れをスムーズにする快適さ
- 所有欲と使いやすさを両立するデザイン
「ペダルレンチって、こんなに使いやすくできたんだ」と思わせてくれる数少ない存在。
それがEquipt Cucumberなのだ。
CucumberはBLUE LUGで購入できます。







Equipt SardineとCucumberの違いを比較|作業用途・サイズ・重さ・対応工具
「見た目が似ているけど、SardineとCucumberって何が違うの?」
そう思う人も少なくないはずです。

実際は、まったく用途が異なる2つのツール。以下の比較表でその違いを整理してみましょう。
項目 | Sardine(サーディン) | Cucumber(キューカンバー) |
---|---|---|
用途 | ライド中の携帯工具 | 整備用ペダルレンチ/スルーアクスル脱着 |
重量 | 約38g | 約95g(参考) |
ビット構成 | ヘックス6/5/4/3mm、トルクスT25 | ペダル/アクスル用固定ビット(非交換) |
ギミック | 可変L字型、速回し+トルク両対応 | 回転ビットで差し替え不要の連続作業可 |
収納性 | 超コンパクト、ホルダー取付可能 | 細長く、ツールケースや車載向き |
強トルク作業 | △(一部対応) | ✕(固着ペダル不可) |
🔍 一言でまとめると:
- Sardineは「どこにでも持ち運べる超軽量マルチツール」
- Cucumberは「整備向けの“手早く安全に使える”作業専用レンチ」
「軽量で応急処置がしたい → Sardine」、「自宅や出先で車輪やペダルを素早く外したい → Cucumber」
というように、選ぶべきは“持ち運ぶ目的”か“整備する目的”かによって分かれます。
用途別おすすめの選び方|あなたに必要なのはどっち?
SardineとCucumber。どちらもEquiptらしいミニマルで実用的なツールですが、用途ははっきり分かれています。
ここでは、**使うシーン別にどちらを選ぶべきか?**を整理していきます。
🚴♂️ ライド中の携帯工具が欲しい人 → Sardine 一択!
- 軽量でポケットやサドルバッグに入れても邪魔にならない
- 出先でのサドル調整、ボトルケージの締め直しなどに最適
- ヘックス&トルクスの基本セットで“ちょっとした不調”に即対応
- ホルダーを使えば安全にフレーム固定も可能
🛠 車内整備・ガレージワーク中心 → Cucumber が便利!
- スルーアクスルやペダルの脱着をスムーズに行える
- 差し替え不要で早回し&締め作業が一連でできる
- 車内での輪行準備や保管前の簡単整備にぴったり
- サイズも収納しやすく、他の工具と一緒に保管OK
💡 両方買うべき人はこんなタイプ
- 自走でも輪行でも走る“全方位ライダー”
- 自分でメンテもするDIY派
- 工具も“所有感”で選びたいミニマリスト
「どこで使いたいか」をはっきりさせれば、どちらを選ぶか迷うことはありません。
見た目が似ていても、役割はしっかり分かれているのがEquiptの魅力なのです。
Equiptシリーズの今後にも注目|“アンチョビ”や“サーディンパスタ”との関係は?
Equiptの工具といえば、Sardine(サーディン)やCucumber(キューカンバー)など、
“食べ物の名前”が印象的なネーミング。
「工具なのにサーディン?」
「キューカンバーって野菜じゃん!」
…と思わずツッコミたくなるネーミングですが、これがEquiptの世界観の一部になっています。
🐟「アンチョビ」って実在する?→今のところ“ネタ要素”
SNSの関連検索では「サーディン アンチョビ」と並んで表示されることもありますが、
現時点でEquiptから“アンチョビ”という製品は存在していません。
これはおそらく、Sardine(いわし)→アンチョビ(加工品)という連想と考えられます。
🍝「サーディンパスタ」も工具ではなく料理の話(笑)
一部検索ワードにある「サーディンパスタ」も、当然ながら工具ではなく料理としてのサーディン。
こちらも“魚缶”つながりで偶然引っかかってしまっただけのようです。
とはいえ、「Sardine=缶詰のような携帯性のある工具」というネーミングは、
単なるシャレではなく、機能性に裏打ちされた意味あるコンセプトとして設計されています。
🔧 ユーモアとミニマリズムの融合がEquiptの本質
Equiptは、
- 工具としての精度と合理性
- 名前やパッケージのユーモア
- 収納性や携帯性に特化したミニマルデザイン
これらをすべて兼ね備えた“語れる工具”ブランドです。
SardineやCucumberに続く、“新しい食材ツール”が今後登場するかも?と期待してしまいますね。
まとめ|Equipt SardineとCucumberは「持つ理由」がはっきりしている
SardineとCucumber――どちらもEquiptらしい、ミニマルで機能的な設計が光るツールです。
しかしその目的と使いどころは、はっきりと分かれています。
- Sardineは、軽量&携帯性を極めたライド中の相棒
- Cucumberは、整備効率と作業性を追求したメンテナンスの相棒
どちらも「万能」ではないけれど、使う人のスタイルにぴったりフィットする設計になっています。
そして、ただ便利なだけではなく、
“道具を持つこと自体が楽しくなる”ようなユーモアとこだわりも備えているのが、Equiptの最大の魅力。
もしあなたが、
- 走りながらも整備を怠りたくないライダー
- 道具にもちょっとした“遊び心”を求める人
なら、SardineもCucumberも、間違いなく長く付き合えるツールになるでしょう。