折りたたみ自転車の中でも優れた機能性とデザインで知られるBROMPTON(ブロンプトン)。
その乗り心地を左右する重要な要素の一つがサドルです。
皆さんもおそらく、純正のサドルが合わないと感じたことはありませんか?
実はそれ、よくあることなんです。
新しいサドルに変えることで、まるで別の自転車に乗っているような快適さを手に入れることができます。
でも、どのサドルを選ぶべきか迷うことも少なくありませんよね。
この記事では、ブロンプトンに長年の乗り手であるポチローが、実際に試したサドルの中から、最適なサドル選びや、取り付け方についてご紹介します。
ブロンプトンの純正サドルじゃダメなの?
純正のサドルが必ずしも駄目とは言い切れませんが、自転車にはじめから付いている純正のサドルは、一般的な設計に基づいています。
しかし、自転車オーナーは、個々の体型や好みは色々あるので、それに完璧に対応しているものではありません。
たとえば、次のような事を感じたことはありませんか?
- クッション性が足りない。
- 形が自分のお尻に合わず、長時間のライディングで不快に感じる。
- 姿勢やポジションがしっくりこない
- スタイルやデザインが自分の好みじゃない
それに、長時間のライディングで不快なサドルを使い続けると、お尻や骨盤に負担がかかり、健康に悪影響を与える可能性があります。
でも心配しないでください!
自分にぴったりのサドルを見つけることで、より快適なライディングを楽しむことができます。
痛くないサドルとは?
”サドル沼”というワードがあって、おしりや尿道が痛いとか、しっくりこないなど、サドルにこだわり出したらキリがないものです。
- 適切な幅と形状: サドルの幅や形状が体に合っていることが重要です。幅が広すぎたり狭すぎると、坐骨に適切なサポートが得られず、痛みの原因になります。
- 適切なクッション: 適度なクッションがあることで、体重が均等に分散され、坐骨への負担が軽減されます。ただし、過度なクッションは逆に圧迫感を生む場合があります。
- 適切な硬さ: サドルが適切な硬さであれば、体重が坐骨にしっかり支えられます。柔らかすぎると体が沈み込み、硬すぎると圧迫感が強まります。
- 適切な角度調整: サドルの角度を調整することで、体重のバランスが良くなり、痛みが軽減されます。
- 通気性がある素材: 通気性の高い素材を使用していると、汗がたまりにくく、ムレが軽減されます。
- 適切な高さ調整: サドルの高さが適切であれば、足への負担が軽減され、痛みが発生しにくくなります。
- 体型に合った設計: 男性用と女性用のサドルは形状が異なります。自分の体型に合ったサドルを選ぶことが大切です。
- 乗車姿勢の考慮: 自転車の乗車姿勢によって必要なサドルの特性が異なるため、乗車姿勢に合ったサドルを選ぶことが重要です。
これらの要素を考慮して、自分に合ったサドルを選ぶことで、痛みを軽減し快適な自転車ライディングが楽しめるでしょう。
ただし、痛くないサドルという物理的なモノに固執するのではなく、サドルの角度や位置などのフィッティングや、乗車時のポジションをしっかりとすることが特に重要です。
お尻の痛みを気にされる場合は、Selle ANATOMICA(セラ・アナトミカ)のサドルがおすすめです。
ブロンプトンのサドルでおすすめのブランド
ブロンプトンユーザーで、純正以外のサドルを付けている方に聞いてい見ると、圧倒的に多いのがBROOKS(ブルックス)のサドルです。
ブロンプトンだけでなく、モールトンなど英国のミニベロユーザーは、やはりBROOKS(ブルックス)を選ばれています。
BROOKS(ブルックス)
ブルックスは1866年に創立され、長い歴史と伝統を持つ老舗ブランドです。
ブルックスのサドルが多くのサイクリストに選ばれる理由はいくつかあります。
まず第一に、優れた快適性があります。
ブルックスのサドルは、高品質のレザーと熟練の職人技によって作られているので、使い込むほどに体に馴染み、長時間のライディングでも快適な乗り心地が得られます。
レザーサドルは体にやさしく、フィットしやすい特性があります。
また、ブルックスのサドルは耐久性が高く長寿命です。定期的な保護剤の塗布や締め直しを行うことで、長く使い続けることができます。何年も愛用することができます。
さらに、美しいデザインによって、自転車の外観を格上げしてスタイリッシュな印象を与えます。
ブロンプトンに合うBROOKS(ブルックス)サドルの選び方
ブルックスには、革で作られたレザーサドルと、天然ゴムとコットンで作られたカンビウムサドルの二種類があります。
レザーを選ぶか、カンビウムなのか、どちらを選ぶかをまずは決めておきましょう。
レザーサドルは、新品から時間が経過するほどに、乗り心地が変化して良くなってきます。自分専用のサドル形状に成長するサドルです。
カンビウムサドルは、新品から時間が経過しても乗り心地が悪くなっていきません。
乗り心地を重視するなら、レザーサドルを選びましょう。
しかし、レザーサドルは水に弱いという弱点があります。
通勤で自転車を使うなど、全天候に対応したいのであれば、カンビウムを選ぶと良いでしょう。
レザーとカンビウムの大きな違いは以下のとおりです。
乗り方によって、モデルを選ぶ
レザーかカンビウムが決まったら、モデルを選びます。
BROOKS(ブルックス)のサドルは乗車姿勢に合わせてモデルを選べるようになっていますので、自分の乗車姿勢から選んでいくと良いですよ。
ブルックスのサドルは、以下のような3つの乗車姿勢に合わせたモデル展開がされています。
- 前傾姿勢:体を前に傾けて乗る姿勢です。速く走るときに使います。(ロードバイクやMTB)
- 角度を持たせた姿勢:体を少し前に傾けるけれども、まっすぐではなくやや角度を持たせた乗り方です。
- まっすぐな姿勢:体をまっすぐにして乗る姿勢で、リラックスした乗り方です。
ブロンプトンの場合は、Low(Sハンドル)なら、2の「角度を持たせた姿勢」、Mid(Mハンドル)なら、3の「まっすぐな姿勢」から選ぶと良いでしょう。
乗車姿勢とモデルをまとめると、以下の表になります。(前傾姿勢のサドルは除外しています。)
レザー | カンビウム | |
---|---|---|
角度を持たせた姿勢 Low(S)ハンドル向き | B17: 100年以上の歴史を誇る、BROOKS定番レザーサドル | C17: カンビウム系の定番サドル。ハンモックのような構造をしており、振動と衝撃を吸収しつつライディング時の快適性はまるでレザーサドルのよう |
FLYER: 伝統のB17にリアスプリングを搭載したツーリング仕様モデル | ||
まっすぐな姿勢 Mid(M)ハンドル向き | B67: 幅広の座面、ダブルレールとリヤのスプリングで高い快適性を実現。 シティーライド向き | C19: 防水ナイロントップを採用した街乗り向き幅184mmのオールウェザーサドル |
もしも、どれにしようか迷ったら、やはり定番のB17がおススメです。
ブロンプトンに合うレザーサドルのおすすめ8選
BROOKSサドルの素晴らしい点は、それぞれのモデルごとに、さらに細かくバリエーションを選ぶことができる点です。
レザーサドルの場合は、以下のようなバリエーションがあります。
STANDARD | 各モデルの定番で、特別な表記のないもの |
IMPERIAL | 穴あきモデル。 サドルの真ん中に穴が空いています。革のしなりがあり、弾力性のある乗り心地です、また、尿道の圧迫も防げます。 |
SOFTENED | ソフトモデル。 通常モデルとは別の部位の柔らかい革を使っていて、さらに表面にはエイジド加工がされています。 |
SPECIAL | 手打ちによる銅鋲仕上げがされた特別なモデル。 美しさはスタンダードよりも際立っています。 |
SHORT | 女性向けモデル。 女性の骨盤にフィットしやすく形状を変えてあります。 先端側を3cmほど短くし、坐骨面の横幅が若干幅広なっています。 |
角度を持たせた姿勢で乗る Low(Sハンドル)向き
B17
ブロンプトンにおススメなのは、何と言ってもこのB17のSTANDARDです。
カラーもBLACK / A.BROWN / HONEYと3色から選べますよ。
B17 SPECIAL
B17と同じ形状ですが、手打ちによる銅鋲仕上げがされたモデル。大きな銅鋲がサドルの美しさを引き出しています。予算的に余裕があるなら、こちらのサドルを選びましょう。
B17 SPECIAL SHORT(女性向け)
B17 SPECIALモデルの内容に加え、サドルの形状が女性向けになっています。
B17 IMPERIAL
B17の中央に大きな穴をあけたモデル。B17よりもソフトな乗り心地です。尿路圧迫が気になる方は、IMPERIALモデルがおすすめです。
FLYER
B17にリヤスプリングを取り付けて、下からの突き上げを緩和するようにしたモデル。長距離などのツーリングが多い方におすすめ。
FLYER IMPERIAL
FLYERの中央に大きな穴をあけたモデル。尿路圧迫が気になる方は、IMPERIALモデルがおすすめです。
まっすぐな姿勢で乗る Mid(M)ハンドル向き
B67
幅広の座面とリヤのスプリングで高い快適性を実現したモデル。
シティーライドから、ツーリングまで対応できます。
ハンドル位置が高く、コンフォートポジションで乗車する自転車にオススメです。
B67 SHORT(女性向け)
B67モデルのサドルの形状が女性向けになったサドル。ハンドル位置が高く、コンフォートポジションで乗車する自転車にオススメです。
ブロンプトンに合うカンビウムサドルのおすすめ5選
全天候対応のカンビウムも、モデルごとに細かく選ぶことができるようになっています。
STANDARD | 各モデルの定番で、特別な表記のないもの |
CARVED | 穴あきモデル。 サドルの真ん中に穴が空いています。しなりがあり、弾力性のある乗り心地です、また、尿道の圧迫も防げます。 |
SPECIAL | レザーのSPECIALモデルのような色使いや限定のカラーサドルが展開されています。 |
角度を持たせた姿勢で乗る Low(S)ハンドル向き
C17
カンビウムの定番モデルです。独特の柔軟性、メンテナンスフリー、防水加工のサドルトップからなるカンビウムサドルは、ハンモックのような構造をしているので、振動と衝撃を吸収しつつライディング時の快適性はレザーサドルの様な快適さです。
C17 CARVED
C17の中央に大きな穴をあけたモデル。C17よりもしなやかな乗り心地です。尿路圧迫が気になる方は、CARVEDモデルがおすすめです。
C17 SPECIAL
C17の乗り心地はそのままに、細部を高級化したモデルです。
まっすぐな姿勢で乗る Mid(M)ハンドル向き
C19
C17に比べて、アップライトなポジションに対応するワイド幅モデル。通勤やシティライドにぴったりです。
C19 CARVED
C19の中央に大きな穴をあけたモデル。C19よりもしなやかな乗り心地です。尿路圧迫が気になる方は、CARVEDモデルがおすすめです。
ブロンプトンに合う軽量サドルのおすすめ
ブルックスのサドルは、快適性が高い反面で、重たいというデメリットもあります。
軽量化としてのサドル交換を考えている場合は、おすすめのサドルがあります。
ポチローとしては、ブロンプトンを軽量化するためのサドルはこれ一択です。
なぜなら、このタイオガスパイダーツインテールは、パッドのないズボンで自転車に乗ってもお尻が痛くなりません。(ポチローの経験とAnazonのクチコミによります。)
しかも軽い!
タイオガ スパイダー ツインテール 2 7×9mm カーボンレールは、重量120gと劇的に軽いのに、乗り心地は最高で、おしりが痛くなりにくいと評判が高いです。
TIOGA(タイオガ) サドル スパイダー ツインテール 2 チタン レールは、カーボンレールよりも少し重たい180gです。
乗り心地と軽量化の一挙両得を狙うなら、タイオガ スパイダーツインテールを買いましょう。
ブロンプトンのサドルを交換する手順と注意点
ブロンプトンのサドル交換はとても簡単です。以下にサドル交換の手順を解説します。
必要なツール
・5mmの六角レンチ
六角レンチ1本で交換可能です。もしも、ブロンプトンの純正ツールキットをお持ちでしたら、ツールキットに含まれる5mmのレンチをお使いください。
サドル交換の具体的な手順
サドルを交換する前に、自転車を展開した状態にしておきます。
自転車に取り付けられているサドルを外します。
サドルの付け根の左側にある、ネジに六角レンチを差し込み、反時計回りに回して、ネジを緩めます。
※このときに、ネジを緩めすぎてしまわないように注意しましょう。
ネジを取ってしまうと、ペンタクリップ(下写真のシルバー色の部品)がバラバラになってしまいます。
ネジが緩むと、サドルを上へ引き抜くことができます。
ネジをギリギリまで緩めて、ペンタクリップをサドルの後ろへずらして引き抜きます。
うまく引き抜けない場合は、ネジを取ってしまっても良いのですが、パーツがバラバラにならないように注意しましょう。
ペンタクリップが外れたら、新しいサドルに同じようにペンタクリップを取り付けます。
サドルの前後の位置を合わせます。また、サドルは水平になるように上下の向きを合わせて、ネジを本締めします。
実際に自転車に乗って、自分の乗車ポジションに合うように、サドルの前後位置や、傾きを合わせます。これは、しっくりくるまで何度も調整するようにしましょう。
サドル交換後の調整とおしりへの影響
サドルの前後位置については、ペダルを12時の位置から3時の位置までが一番踏み込みやすい位置にします。ハンドルからサドルが離れるほど前傾姿勢になり、ハンドルに近くなるほど坂道で踏み込みやすくなります。
また、サドルの傾きについては、基本は水平位置にしましょう。前傾させると尿道やおしりが痛くなりやすくなります。水平かやや後傾ぎみに設置すると良いでしょう。
まとめ
ポチローがイチオシのサドルは、レザーサドルのB17です。カラーも3色から選ぶことができますし、同じブルックスから、ハンドル用のレザーグリップも販売されていますので、トータルコーディネートも可能です。
ぜひ、ブルックスでバッチリとブロンプトンをドレスアップ&快適化してみてくださいね!