ブロンプトンのクランクをカスタムするのに有名な一つに、シマノのホローテック2化があります。
ホローテック2にすると、回転性能の向上と剛性UPによって、パワーロスが少なくなるそうです。
私は愛車のブロンプトンで、プチ峠を含めた長距離ツーリングをする事が多くあるので、純正よりもう少し剛性が欲しいと感じていました。
特に坂道では、ボトムから悲鳴らしききしみ音が出ていたりして、最低限でもBB(ボトム・ブラケット)の交換はしたいと感じていた所です。
そんなわけで、愛車ブロンプトンのS6Lを、BBのホローテック2にするのと、クランクの交換を同時に行いました。
ホローテック2化に使えるBB(ボトム・ブラケット)
ブロンプトンをホローテック2にするときに使用できるBBは、シマノ SM-BBR60 BSAと、BB-R9100 BSAが良く使われているようです。
値段としては倍くらいの差がありますが、今回は、 BB-R9100 BSA(68mm)を選択しました。
ブロンプトンで使えるシマノのクランク
この記事の作成時点でブロンプトンに取り付けられるシマノのクランクは、FC5703 一択しかないようです。
FC5703の170mmを選択しました。
そして、このクランクは旧モデルなので、いつなくなるか分からないという情報もあるようです。
交換作業
クランクとBBの交換を順を追って説明します。コツは最後のまとめに書いていますので、そちらも参考にして下さい。
クランクの取り外し
必要な工具
・ 六角レンチ
・ コッタレスクランク抜き
・モンキーレンチ
手順
クランクを取り外すには、まずはフィキシングボルトを抜き去ります。
六角レンチで反時計回りにボルトを回して抜き去ります。
フィキシングボルトを抜き取ると、 四角い穴の先にBBから突き出しているシャフトが見えます。
クランクはこのシャフトにしっかりと食い込んでいますので、手で抜き取ることはできません。
コッタレスクランク抜きを使って、クランクを押し出して取り外します。
クランクのネジ穴に、コッタレスクランク抜きをねじ込みます。
このとき、 コッタレスクランク抜きの内側にある突起は、コッタレスクランク抜きの後端を左に回して中に入れておきます。
モンキーレンチなどを使って、 コッタレスクランク抜きの後端を右に回していきます。
そうすることで、コッタレスクランク抜きの内部の突起が突き出る事によって、クランクが手前に押し出されてきて外れます。
クランクが外れると、BBから突き出しているシャフトが姿を現します。
みごとにクランクが外れました。クランクからコッタレスクランク抜きを外して、今度は反対側(右)のクランクを外します。
右側のクランクにはチェーンリングが固定されていますので、このままクランクを外すと、チェーンに引っ張られてお祭り状態になってしまいます。
ですから、右側クランクを外す前に、チェーンを外して向こう側に垂らしておきます。
右側のクランクを取り外したところです。チェーンがシャフトに引っかかっています。
既存BBの取り外し
必要な工具
・アダプター戻し工具(カセット抜き取り用)
・32 mmのレンチ
手順
BBのシャフトに引っかかっていたチェーンが作業の邪魔になるので、S字フックで少し離れた場所に避難させておきます。
2017年モデルのブロンプトンのBB形状は、カセットタイプになっていますので、シマノ アダプター戻し工具 TL-UN74-S を使って取り外します。
BBは左側から外します。シマノ アダプター戻し工具をBBの溝にピッタリと合わせて、32mmのレンチで左(反時計回り)に回してカップを抜き去ります。
右側も同様に工具を取り付けて回して外しますが、右側は逆ネジになっていますので、 右(時計回り)に回します。右側を外すと本体ごと抜き取る事になります。
オリジナルのBBを抜き去ったあとは、ウエスで綺麗に拭き取って汚れを掃除しておきます。
新しいBBの取り付け
必要な工具
・TL-FC24(BBに付属)
・ボトムブラケットレンチ
・グリス
手順
ボトムブラケットを取り付ける時は、右側から先に取り付けていきます。
ブラケットのネジ部分にグリスを塗ってから、右側ブラケットを差し込んで、左(反時計回り)に回して取り付けます。
※右側は逆ネジ
BBに付属のTL-FC24を、ボトムブラケットレンチに取り付けてから、レンチを使ってしっかりとBBをねじ込んでいきます。
右側を取り付けたら、今度は左側(時計回り) を取り付けて完成です。
※左側もネジ部分にグリスを塗ってから取り付けます。
新しいクランクの取り付け
必要な工具
・トルクレンチ
・クランク取り付け工具 TL-FC16
・シングル用チェーンリングボルト&ナット ※1個
手順
ブロンプトンのチェーンガードと50Tチェーンリングはそのまま使いたいので、
FC-5703のチェーンリングは使いません。
チェーンリングボルトを外して、クランクのみにします。
ブロンプトンについていた右側クランクからも、チェーンリングを外しておきます。
そして、下の写真のように、ブロンプトンチェーンリング+FC-5703右クランクのセットを作ります。※チェーンリングが一つ足りません。
ブロンプトンに初めからついているチェーンリングボルト&ナットは4つで、あと一つはクランクの裏にボルト(下写真の左) がねじ込まれています。
ですから、ブロンプトンのチェーンリングボルト&ナットを流用する場合は、シングル用チェーンリングボルト&ナットがもう1セット必要になります。
※FC-5703についているものは長さが違うので使えません。
組みあがった右側クランクをBBに差し込むと、左側には下の写真のようにシャフトが突き出してきます。
このシャフトに左側クランクをはめ込みます。左クランクが右クランクと交互な向きになるようにしてください。当たり前ですが、同じ向きだと漕げません。
脱落防止用フックがクランクの中にはめ込まれていることを確認したら、クランク取り付け工具 TL-FC16 で、キャップを締め付けます。
最後に、左クランクの根元にある2本のボルトを交互に絞めつけてクランクの取り付けは完了です。
このボルトの締め付けトルクは12-14N・mです。
ペダルの取り付け
今回はペダルも交換することにしていて、MKSのコンパク トイージ-を取り付けました。
MKS コンパクト イージー は、クランクにはアダプターだけを取り付けておいて、アダプターにペダルを差し込んで使います。
ペダルを取り外す時は、アダプターを手で押し込むとペダルが簡単に取り外しできます。
ペダルを取り付ける時は、手でねじ込んでから、最後にペダルスパナでしっかりと取り付けます。(漕いでいれば締めこまれていくというのは、間違った情報だと思います。)
※左ペダルは逆ネジ
ブロンプトンの場合は、左側のペダルが着脱できるようになれば良いので、右側のペダルは、同じデザインの着脱できないモデルである「MKS コンパクト」 というモデルを使用します。
※もう一台所有しているDAHON Speed falco は、右がコンパクト イージー 、左はコンパクトを取り付けています。着脱したい側が異なるので、このような組み合わせができました。
新しいクランクと本体のクリアランス
ブロンプトンが展開されている状態で、今回のカスタムで影響が出る箇所があるとがっかりですが、じっくりと確認したところ、今回はありませんでした。
折りたたんだ時に、フェンダーのスポークと、チェーンリングガードがほんの少しだけ干渉しているようです。(下の写真中央)
チェーンリングと干渉しているわけではないので、自分としては気にならないので、このままで問題なしとします。
まとめと感想
思ったよりも簡単かつスムーズにホローテック2化をすることができました。
戸惑う個所としては、「左ペダル」と、「ボトムブラケットの右側」が逆ネジとなっている所と、ブロンプトンの純正チェーンリングボルトが4つしか使えなかった事でした。※途中で買いに行った。
作業としては、重要な部品と工具がすべて揃っていたので、迷う事はありませんでした。
ホローテック2化して、10キロくらい漕いでみた感想としては、漕ぎ出し時や坂道でパワーロスが、かなり少なくなっていると感じました。
特に坂を登るときがスムーズになって、「おっ!」と声が漏れてしまいます。
また、平地でも剛性アップしている感触がしっかり伝わってきますので、長距離ツーリングでも、かなりいい影響がある予感がします。
今後の長距離ツーリングがとても楽しみです。
以上、「ブロンプトンのカスタム|ボトムブラケットをホローテック2にしてみた」でした。
コメント